防犯カメラの種類と特徴の詳しい解説

防犯カメラを導入しようと思っても、「どのタイプを選んだらいいか分からない」「設置目的や場所によって何が違うの?」と迷う人は多いはず。 本記事では、防犯カメラの大きな分類から、形状・録画方式・機能などの視点ごとに「種類と特徴」を詳しく解説します。 用途や設置場所に応じた選び方の参考にしてください。


1. 伝送方式・基本の分類:アナログカメラ vs ネットワーク(IP)カメラ

防犯カメラは、まず「映像の伝送方式」によって大きく2種類に分けられます。 どちらを選ぶかで、配線方法・設置の難易度・画質・将来的な拡張性が変わります。以下に特徴をまとめます。

アナログカメラ

  • 同軸ケーブルなどで映像を直接伝送
  • 初期費用が比較的安価で導入しやすい
  • ただし画質はデジタル系より劣ることが多い
  • 既存の配線を利用できるなど、既存環境がある場合に有利

ネットワーク(IP)カメラ/デジタルカメラ

  • LAN ケーブルや Wi-Fi を使ってデジタル映像を送信・保存
  • 高画質(HD〜4K対応など)で、細部の確認に強い
  • 複数台のカメラをまとめて管理しやすく、将来の拡張にも対応しやすい
  • 遠隔閲覧やスマホ/PCでの映像チェックが可能なモデルも多い

現在では、ネットワークカメラの普及が進んでおり、画質・利便性・運用性の観点から選ばれることが多くなっています。 ただし、「予算を抑えたい」「既存設備を活かしたい」という場合はアナログカメラも選択肢になります。


2. カメラ形状で選ぶ:ドーム型/バレット型(筒型)/PTZ・可動カメラ など

カメラの「見た目」や「形状」も、防犯カメラを選ぶときに重要な要素です。 設置場所・目的によって、向き不向きがあるため、以下でそれぞれの特徴を見てみましょう。

ドーム型カメラ

  • 天井や壁に取り付けやすく、内装になじみやすい
  • どの方向を撮影しているか分かりにくいため、「撮られているかも」と感じさせやすく、防犯抑止効果あり
  • 広角レンズで広い範囲をカバーできるため、店舗・マンション共用部・室内向き
  • 衝撃やいたずらに強い「耐衝撃・耐破壊」モデルも多い

バレット型(筒型)カメラ

  • 筒状で「監視カメラらしい」デザイン — 威嚇効果が高く、防犯目的でわかりやすい
  • 望遠・ズーム性能に優れるモデルが多く、遠距離撮影や広い敷地の外周監視に向いている
  • 屋外のフェンス・駐車場・建物外周など、侵入経路の見張りに適している
  • ただし、レンズの向きが一目でわかるので、設置角度や死角に注意が必要

PTZカメラ(可動・パン/チルト/ズーム対応)など多機能タイプ

必要に応じてカメラが上下左右に動き、ズームもできるタイプ。広い敷地・複数の死角がある場所、出入口の多い敷地などで威力を発揮します。 1台で広範囲をカバーできる反面、価格が高め・設置にある程度の技術が必要な場合もあります。


3. 録画方式・保存方式で選ぶ:SDカード / HDD / クラウド / NVR など

カメラ映像は「撮る」だけではなく、「保存」も重要です。録画方式や保存方法によって、使い勝手やコスト感、管理負担が異なります。以下は主な方式です。

  • SDカード録画タイプ — カメラ単体で録画可能、小規模住宅や簡易監視に向く
  • HDD/レコーダー(NVR/DVR)による録画 — 複数台のカメラをまとめて管理、長期間録画や大容量保存が可能
  • クラウド録画タイプ — インターネット経由で映像保存、外出先からの確認やバックアップにも便利(ただし通信環境が必要)

録画方式を選ぶ際は、設置場所・台数・保存したい期間に応じて最適な方式を選ぶのがポイントです。 「初めてで管理に自信がない」「台数を増やす可能性がある」「長期間保存したい」といった条件があれば、NVR/クラウド型を含めて検討するのがおすすめです。


4. 機能・性能で選ぶ:夜間対応・ネットワーク機能・AI・耐候性 など

最近の防犯カメラは、ただ映像を撮るだけではなく、さまざまな追加機能が搭載されています。用途に応じて、必要な機能をチェックしてみましょう。

  • 夜間撮影/赤外線(IR)対応: 夜間・暗所でも録画可能。帰宅時の玄関前や夜間の駐車場監視に必須。
  • ネットワーク/Wi-Fi対応: スマホ・PCでの遠隔閲覧や通知、複数台の管理が可能。賃貸住宅や店舗など、配線が難しい場所に便利。
  • 耐候性・防水・防塵: 屋外に設置する場合は、雨風・ほこりに耐えられる仕様であることが重要。
  • ズーム/パン・チルト機能: 広い敷地や死角の多い場所で、1台で広範囲をカバーしたい場合に有効。
  • 音声録音・双方向通話: 来訪者の声を録音したり、応答したりできるタイプもあり、玄関・受付の監視に便利。

5. 用途別のおすすめカメラ構成

以下は代表的な利用シーン別に向いている防犯カメラの組み合わせ例です。

用途おすすめ構成ポイント
戸建て住宅の玄関・駐車場監視バレット型カメラ(屋外用) + 赤外線対応 + SD録画またはNVR遠距離・夜間対応・侵入の抑止効果重視
マンション・アパート 共用部/エントランスドーム型カメラ(屋内/屋外対応可) + ネットワークカメラ + HDD/NVR保存広角で範囲カバー、映像確認のしやすさ、防犯とプライバシーの両立
小規模店舗・オフィスの室内監視ドーム型 or 小型ネットワークカメラ + クラウド録画 or NVR混雑対策・来客の出入り管理・遠隔確認
広い敷地・駐車場・工場などの外周監視バレット型 or PTZカメラ + ネットワーク録画 + 赤外線+ズーム対応遠距離対応・夜間監視・広範囲カバー

まとめ:目的と設置場所に合ったカメラを選ぼう

防犯カメラは「どこに設置するか」「何を守りたいか」「どのように映像を保存/確認したいか」によって最適な種類・構成が変わります。 本記事で紹介した「伝送方式」「形状」「録画方式」「機能」という観点を押さえれば、ご自宅・マンション・店舗など、どんな環境でも失敗しにくい選び方ができます。

もし「初めてで何が向いているか分からない」「設置環境が特殊」「将来カメラを増やすかも」と考えているなら、複数タイプのカメラを用途別に組み合わせるのがおすすめです。
また、設置工事が必要な場合や、防水・配線などで不安がある場合は、プロの現地調査サービスもご活用ください。