防犯カメラにはいくつか種類があり、形状・保存方式・録画方法・機能などに違いがあります。

これから初めて導入しようとされている方や買い替えを検討している方に向けて、
「何を基準に選べばいいか分からない」という不安の声にお応えするべく、
これだけ知っておけば大丈夫!な防犯カメラのイロイロについてご紹介します。

この記事を読んでいただくことで少しでも理解を深めていただければと思います。

防犯カメラの基礎構成

防犯カメラは本体だけで動いているわけではなく
基本的には「カメラ」「レコーダー」「モニター」をケーブルで繋げ組み合わせることで動いています。
防犯カメラの録画により有事の際には状況を確認できるほか、犯罪抑止効果もあると言われています。

その一方では防犯カメラによるプライバシーの侵害などの危険性もあり、
近隣住民の方達にも配慮した使用方法を徹底する必要があります。

防犯カメラの種類と特徴

一口に防犯カメラと言ってもさまざまなタイプが存在しており
目的や用途によってカメラの設置場所や必要な機能は異なってきます。

映像保存方式の種類

防犯カメラの映像保存方式には、大きく分けて次の4種類があります。

  • アナログ方式『アナログカメラ』
  • アナログ方式『HD(ハイビジョン)アナログカメラ』
  • デジタル方式『HD-SDIカメラ、EX-SDIカメラ』
  • デジタル方式『ネットワークカメラ』

防犯カメラの接続ケーブルと種類

防犯カメラの接続方法には、大きく分けて次の2種類のケーブルがあります。

  • 同軸ケーブル
  • LANケーブル

防犯カメラによって使用する接続ケーブルは異なってきます。
上記の4種類のカメラであれば下記のようになります。

  • 同軸ケーブル接続『アナログカメラ』
  • 同軸ケーブル接続『HD(ハイビジョン)アナログカメラ』
  • 同軸ケーブル接続『HD-SDIカメラ、EX-SDIカメラ』
  • LANケーブル接続『ネットワークカメラ』

以下それぞれのカメラの特徴です。

同軸ケーブル接続『アナログカメラ』

アナログカメラとはCCTV(closed-circuit television)システムと呼ばれ、
VHSテープ式のビデオデッキを使用した防犯カメラです。

メリットデメリット
導入コスト・維持コストを抑えられる
細い同軸ケーブル(3C-2V)で接続が可能
画質は38万画素~48万画素で画質は劣る
ほとんどのカメラメーカーは終売している

同軸ケーブル接続『HD(ハイビジョン)アナログカメラ』

「HD」は「High Definition(ハイデフィニション)」の略です。
HDは高解像度と言う意味ですが、HDアナログカメラは大きく分けて次の3種類があります。
AHDカメラ、HD-CVIカメラ、HD-TVIカメラがあり、
チップメーカーが Nextchip社(韓)、Techpoint社(米)、Dahua社(中)となっています。

メリットデメリット
導入コスト・維持コストを抑えられる
200万画素の映像が撮影可能
同軸ケーブル(3C-2V)で接続が可能
同軸ケーブル(5C-FB)であれば長距離伝送可能
AHD、HD-CVI、HD-TVIの
3種類のカメラには互換性が殆どない
どの機種でも対応するカメラやDVRが出てきたが
中には映像切替が上手くできない機種もある

同軸ケーブル接続『HD-SDIカメラ、EX-SDIカメラ』

HD-SDI(High Definition Serial Digital Interface)はビデオ信号伝送規格の一つ。
放送業界で使用される放送用ハイビジョンデジタルVTRで多く採用されている信号規格です。

メリットデメリット
非圧縮伝送による高精細映像
デジタル伝送で同軸配線を使用するものの中では
HD-SDI方式のカメラが最も高画質
EX-SDIであれば350mもの長距離伝送も可能
HD-SDIは伝送距離100mほどで長距離には不向き
同軸ケーブルは5C-FBが推奨ですが
5C-2Vでは映像が出ない可能性があり
ブロックノイズが発生する

LANケーブル接続『ネットワークカメラ』

LANケーブル接続により、
インターネットや社内LANを利用した接続方法で多様な場所への設置が可能です。

メリットデメリット
カメラ毎にIPアドレスが振り分けられ
カメラ設定などが簡単
複数台カメラを一括管理可能
カメラ電源はPoE給電することにより
LANケーブル1本で接続可能
HDアナログカメラに比べて少しコストがかかる
同軸ケーブルの映像伝送に比べて少し遅延がある

※PoE…Power over Ethernet。LANケーブルを通して電力を供給する技術。
 屋外や天井などの電源を確保しにくい場所でもLANケーブルだけで電力供給ができる為設置しやすくなります。

映像録画保存媒体の種類

防犯カメラの映像録画保存媒体には、大きく分けて次の3種類があります。

  • 録画レコーダー(HDD)保存
  • カメラ本体(microSDカード)保存
  • クラウド(クラウドサーバー)保存

録画レコーダー(HDD)保存

録画可能日数がHDDの容量で変動し、2K、4Kなど高画質になるほどデータ量が大きくなり、
録画のフレーム数を1秒間に何フレーム録画するかにより録画日数は大きく左右されます。

メリットデメリット
インフラに依存しないため映像の途切れがない
古いカメラをそのまま流用できる場合が多い
録画日数が長期録画保存できる
録画レコーダーの設置場所が必要
録画レコーダーの初期費用が必要

カメラ本体(microSDカード)保存

録画可能日数がmicroSDカードの容量で変動し、2K、4Kなど高画質になるほどデータ量が大きくなり
録画のフレーム数を1秒間に何フレーム録画するかにより録画日数は大きく左右されます。

メリットデメリット
カメラ本体で録画するので配線が不必要
配線工事が不必要
カメラに電源が必要
録画データーの取り出しが面倒
録画日数が短い

クラウド(クラウドサーバー)保存

録画可能日数がクラウドの料金プランで変動し、2K、4Kなど高画質になるほどデータ量が大きくなり、
録画のフレーム数を1秒間に何フレーム録画するかにより録画日数は大きく左右されます。

メリットデメリット
カメラ機器が破損しても、クラウドサーバーで
録画データが保存されている為消失しにくい
クラウドサーバー費用が毎月必要
カメラには電源が必要

簡易一覧

HDアナログカメラ方式HD-SDI、
EX-SDIカメラ方式
ネットワークカメラ方式
保存先レコーダー内のHDDレコーダー内のHDDレコーダー内のHDD
microSDカード
クラウドサーバー
カメラの価格安い高い高い
工事費コスト高い高い安い
画質中・高画質
(92万~400万画素)
高精細映像
(200万~800万画素)
高精細映像
(200万~800万画素)
映像データ転送速度速い速い少し遅延がある
映像データ転送距離同軸ケーブル(5C-FB)
最長300m
同軸ケーブル(5C-FB)
最長100m~350m
LANケーブル(Cat5e)
最長100m
録画の安定性映像の途切れ無し映像の途切れ無し映像の途切れ無し
録画可能時間HDDの容量に準拠HDDの容量に準拠HDDの容量に準拠
microSDカードは短い
クラウドはプランにより異なる
カメラの遠隔設定カメラに直接設定は不可カメラに直接設定は不可カメラに直接設定が可能
カメラの遠隔操作遠隔設定不可
(機種により通信配線が必要)
遠隔設定不可
(機種により通信配線が必要)
遠隔設定可能
(メーカー及び機種により異なる)
録画レコーダーの
遠隔設定
DDNS及びP2P設定
(メーカー及び機種により異なる)
DDNS及びP2P設定
(メーカー及び機種により異なる)
DDNS及びP2P設定
(メーカー及び機種により異なる)
録画レコーダーの
遠隔操作
遠隔操作可能遠隔操作可能遠隔操作可能

形状の種類

防犯カメラの形状には、次の6種類があります。

  • ボックス型
  • ドーム型
  • バレット型
  • PTZ 型
  • 全方位型
  • ウェッジドーム型

ボックス型

ボックス型防犯カメラ
ボックス型防犯カメラ

レンズは基本別売りですが設置環境に合わせたレンズの選択が可能です。
ハウジングケースと呼ばれる保護ケースを付ける事で、雨ざらしの屋外への設置も可能です。
見た目は非常に強い威圧感があるので、強盗や万引き対策として設置されることが多いです。
またボックス型は性能の良いものが多いため駐車場や商業施設などでもよく使われています。

ドーム型

ドーム型防犯カメラ

半球形状のドーム型で形状も丸く、レンズがどの方向を撮影しているか分かりづらく、
天井や壁に直接設置するので監視されているような防犯カメラ特有の威圧感を軽減する事ができます。
その為オフィスやマンションのエントランス、ホテル、レストランなどの
威圧感を抑えたい場所によく使用されます。屋内・屋外どちらのタイプも存在します。

バレット型

バレット型防犯カメラ

ボックス型のカメラとハウジングケースが一体化しているタイプです。
レンズが固定式と電動ズーム式があり、メーカーにもよりますが防水防塵性能 IP67 前後が殆どです。

PTZ型

PTZ型防犯カメラ

PTZはPan、Tilt、Zoomの略です。
Pan…左右方向
Tilt…上下方向
Zoom…ズームインズームアウト
文字通り上下左右にカメラの方向を変えたりズームなど遠隔でカメラコントロールが可能なタイプ。
1台で広い範囲や細部まで確認することが可能で、工場や商業施設などに設置されることが多いです。

全方位型

全方位型防犯カメラ

別名フィッシュアイ、魚眼レンズカメラとも呼ばれます。
通常の防犯カメラの場合撮影範囲はおよそ 90 度ほどになりますが、
全方位型の場合1台のカメラで360度全てを撮影できます。
その為1台で広いスペースの全体像を把握できたり、人や物の流動を確認することができます。

ウェッジドーム型

ウェッジドーム型防犯カメラ

ウェッジドーム型は本体がドーム型より小さく、
薄めの独特な形状でエレベーターの設置に向いています。
マイク内蔵タイプもあり、設置場所用途に合わせてマイクを有効活用できます。

録画方法の種類

防犯カメラの録画方法には、次の2種類があります。

  • オンプレミス型
  • クラウド型

オンプレミス型

レコーダーを防犯カメラと物理的に接続し設置するタイプです。
有線接続で動作が安定している為24時間常にリアルタイムモニタリングしたい方に適しています。

クラウド型

録画映像をネットワーク上のクラウドサーバーに保存するタイプです。
オンプレミス型とは違い施設内に設置するのはカメラ本体のみ。
そのため、最小限の機材で設置が可能なため故障リスクが少なくなります。
またクラウド上にデータを保存するのでデータ消失のリスクも軽減されます。
ネットワークを通じて映像をリモートで確認可能で遠隔で状況の把握をしたい方に適しています。

オンプレミス型クラウド型
初期コスト機器一式の購入が必要の為
初期費用が高い
防犯カメラと電源装置以外は
購入不要の為初期費用が低い
ランニングコスト利用料などは不要
機器の故障時には買替が必要
クラウド利用料が必要
機器の買替は不要
セキュリティ自社ネットワーク構築で安全
社内でセキュリティ対策可能
通信が暗号化されており安全
提供事業者側が実施
安定性
有線接続で安定

インターネット環境に依存
保守・メンテナンス自社内で対応
バージョンアップは別費用
提供事業者が管理
バージョンアップも無償
カスタマイズ性
カスタマイズ可能

提供事業者に依存
外部アクセスメーカーにより異なりますが
ポート開放設定を必要とする
DDNS設定や簡単な2P2設定が必要
複雑な設定不要

機能の種類

防犯カメラには、映像録画以外にも様々な種類の機能が存在します。
よく利用される機能を一部紹介します。

機能内容
デイナイト機能日中はカラーで撮影し、
明るさが一定の基準より暗くなると自動的に
ナイトモードで白黒映像として撮影します。
一台あれば日中・夜中でも対応可能になります。
赤外線があれば、夜間の白黒映像を
より高画質で撮影できます。
動体検知動体検知はフレームの間で変化があった場合に
動きのあるものとして検知します。
何か変化が発生した場合に検知をする機能で、
メール通知や警報機などと連動する事ができます。
検知してから数秒後に録画を開始するといった
設定もできるのでデータ容量を削減できます。
逆光補正・WDR
(ワイドダイナミックレンジ)
映像中で明暗が混在する映像でも、
自動的に明るさ調整や補正を行い
被写体を鮮明に撮影する機能です。
逆光時に白くボケてしまったり、
暗所が潰れて見えなくなることを防止できます。
光学ズーム
カメラの焦点距離を変えて
被写体を拡大するズーム方式です。
デジタルズームとは違い映像を拡大しても
画素数が低下せず鮮明な映像で確認ができます。

顔認証
事前に登録された顔を識別する機能です。
防犯対策においては別で撮影した被写体の映像をもとに、
その後同一人物がカメラに写った時に
自動で認識することができます。

IP規格
(防水・防塵規格)
防水・防塵機能があれば、雨風にも強く
耐久性が高いので屋外でも設置ができます。
IP規格はIP00~IP68で表記され、
1の位が防水、10の位が防塵を示します。
屋外用カメラはIP66以上を選びましょう。
オートフォーカス
録画時に被写体にピントを自動で合わせる機能。
動きのあるものや止まっているものが
複数ある場合などでもピントの切り替えができます。

フリッカーレス
(フリッカー補正)


蛍光灯や LED 照明を撮影した際に発生する
ちらつき(フリッカー)を補正する機能です。


音声録音

映像だけでなく音を記録することができます。
防犯対策をする上で音も重要なデータです。


防犯カメラの活用シーン

防犯カメラを設置する際には、設置場所・撮影範囲・必要な機能などを把握することが必要です。
以下防犯カメラの活用事例をまとめました。
あくまで一例になるので目的によっては異なります。

設置場所1設置場所2設置場所3設置場所4
自宅玄関勝手口駐車場ゴミ置場
マンションオートロック前エントランスゴミ置場駐輪場
店舗入口受付事務所内非常口
事務所入口受付事務所内非常口
工場出入口出荷場工場内工場内
駐車場精算機出入口駐車場内駐車場内
商業施設出入口ホール全体エレベーター前階段前

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の記事では、防犯カメラの種類と特徴についてご紹介しました。

防犯カメラには形状・保存方式・機能など非常に多くの種類があるため、
実際の利用目的、使える予算や設置場所などの様々な要素を考慮して適したものを選ぶ必要があります。

何も考えずに設置してしまうと想定通りの効果を得ることは難しくなりますので、
より効果的な対策をしたい場合は業者に相談しながら決めていくのが良いでしょう。

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